放射脳に走る理由とは?

自分はTwitterで電波ヲチをしている。ここでいう電波とは「トンデモ系の主張をする人」「デマを発信・拡散する人」「まじに宇宙(かなんかよくわからない何か)と会話しちゃってる人」などなど様々であるが、やはり福島原発事故に関わる電波が増えてしまうのは仕方ないことなのか。

その電波系の中でも最近注目しているのはマリリンこと竹野内真理氏である。マリリン vs. 「工作員」を読めば大体どんな状況かわかるはず。以前から熱心な反原発活動を続けられていたそうだが、昨年の事故を期に沖縄に避難。その後活動を強化して、今年になってからTwitter界隈に乱入、ということらしい。この数週間は福島エートス活動を強力に攻撃しており、なんでも「731部隊の再来」なんだという。

氏の主張が正しいかどうかは上記まとめや各種情報を読んだ上で皆さんに判断してもらうとして、ここでは「なんでこうなっちゃうんだろ?」ということを考察したい。ヒントになりそうな記事が朝日から公開されていた→ニュース圏外〉放射能恐れ沖縄へ

以下、気になる部分を引用。

原発がない場所を求め、縁もゆかりもない沖縄へ。

→避難を選択する場合、まずこれが心配の種になるよね。まあ、去年の事故直後なら情報が錯綜していたし、緊急避難という選択は当然あったはずだけど、白紙の状態で新天地に行くのは色々とつらい。それでも強行すると…

「安心して買い物できる環境を」と7月に食品の放射線測定会社を設立したが、まだ軌道に乗らず、貯金を切り崩す生活が続く。

→こうなるよね。これは精神的に堪える。怪しげな本の印税収入がある人はどこに引っ越してもなんとかやっていけるだろうけど、そうじゃない人は現地で仕事を探すか起業するしかない。もともと不景気な日本でそんなにひょいひょいと求人する企業はないだろうし、起業してもなかなかうまく行かないのは古今東西変わりはない。

弟の丹さん(33)も会社を辞めて一緒に沖縄に来た。「僕は東京で被曝(ひばく)したので、10年もすれば病気になる」と真剣に話す。

→30過ぎなら別に被曝しなくても10年以内に病気になる確率はそこそこあるはずだ。だから人間ドッグなどという仕組みがある。まさか被曝しなかったら病気にならないとでも思っていたのか? そうなのかもしれん。だから…

「インターネットの情報だと、首都圏でも体調を崩す人が増えている。このままでは大変なことになる」

→だからこういうのにひっかかる。「増えている」って何の基準に対して? もともと体調を崩す人なんて珍しくなかったわけで。(だから色々と健康食品とか売れてたわけでしょ) だけど、この手の人は「それは放射能が悪いんです!!」ときっぱりと言い切ってくる。

同じ会の共同代表、谷中真美子さん(44)は「体がだるい」と、座っているのもつらい様子。体調に異変を感じ、仕事を辞めて沖縄に来たのは7月だ。
元々、甲状腺に疾患がある。原発事故後、放射能を恐れて家から出ないようにしていたが、鼻血や下痢などの症状が出たという。ネットで検索して自分は「低線量被曝者」だと確信したが、「8軒の医者を回っても鼻で笑われた」。友人とは疎遠になったが、原発デモや放射能の勉強会を通じ、新しい仲間ができた

→この谷中さんには申し訳ない言い方だけど、この人は福島原発以前に鼻血だしたことなかったのか? 下痢したことなかったのか? なぜ鼻血や下痢を放射能のせいと決めつけたのか。 どうやらネット上にはびこっていた「低線量被曝」に関する情報が決め手となったようだが、彼女に8件の医者よりもネット上の情報を選ばせたものはなんだったのか? セカンドオピニオンどころではない。8件ですよ。8件回って低線量被曝と診断してくれる医者がいなかった。(熊本にいけば一人いるのは確実なんだが)

自分の確信を裏付ける情報だけを探しているのでは。そう問うと、谷中さんは声を震わせた。「真実は私の体の中にあります」

→で、自分は考えた。世の中には「実は自分が低線量被曝なるもので病気になると思い込みたい」人が一定数いるのではないか。そういう人達は「友人とは疎遠になったが、原発デモや放射能の勉強会を通じ、新しい仲間ができた」ことに満足し、核心を突かれる質問をされると「真実は私の体の中にあります」と答える、と。

そのような人達に「低量被曝はこんなに危険! 私達の言うとおりにすれば大丈夫!」と助け舟を出せば、それは喜んで乗ってくることだろう。だが、果たしてそれは本人にとっても社会にとっても正しいことなのだろうか。朝日記事に紹介されていた谷中さんが下痢を起こしていたのは放射能とは全く関係ない別の要因だった可能性はないのか? 沖縄で起業してうまく行ってない人は、地元に踏みとどまっていたほうが楽な生活できたのではないか?

朝日記事は良い感じで締められている。

首都圏の放射線量のリスクについて、中谷内教授は「経済状況や家族状況は千差万別。人によって判断は違うだろう」という。「私たちは様々なリスクに囲まれている。仕事を辞めるリスクや家族と離れるリスクより、現在の放射線量が危険なのかを考え、避難の必要性を判断しては」と助言している。

→身の回りに「自分が低線量被曝なるもので病気になると思い込みたい」人がいたら、世の中の他のリスクも教えてあげよう。それでもその人が低線量被曝なるものを恐れるのであれば、そのままにしてあげよう。

一方で、低線量被曝が唯一無二のリスクと叫ぶような人達は徹底的に批判しよう。もっと大きなリスクから目を背けてしまう可能性を育む、という意味で竹野内氏のような「放射脳」は危険な存在である。

おまけ 問:大きい順に並べなさい

  1. 「子供たちの未来を考える◯◯会」なDQN親に育てられた子供がグレて危ない遊びに手を出して25までに命を落とす確率
  2. 市中に出回ってる食品が引き起こす内部被曝で癌になって50年以内に死ぬ確率
  3. その辺の食堂でタバコの副流煙が引き起こす肺がんで50年以内に死ぬ確率
  4. 慣れない避難先で起こした事業がうまく行かず3年以内に首をくくる確率
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